「奨学金の返済がきつくて生活が苦しい」——日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を借りている方は約400万人と言われますが、卒業後の返済に苦しむ方も少なくありません。本記事では、返済が厳しいときに使える制度と対処法を解説します。
まず知っておきたい:延滞すると何が起きる?
奨学金を返せずに延滞すると、以下の問題が生じます。
- 延滞金(年利5%)の発生:延滞した金額に対して年5%の延滞金が加算されます
- 個人信用情報への影響:3カ月以上延滞すると信用情報機関に登録され、クレジットカードやローンの審査に影響します
- 保証人への請求:機関保証を選んでいない場合、保証人に請求が行きます
収入が不安定、体調不良、失業など、返済が困難な状況になったら早めに申請することが最重要です。
返済が苦しいときの3つの制度
① 返還期限猶予(最長10年間) 一定の条件(失業・病気・天災・低所得等)を満たす場合、最長10年間、返済を猶予してもらえます。猶予中は延滞金が発生せず、信用情報への登録もされません。
対象となる主な条件:
- 年収が一定額以下(目安:給与所得者で年収300万円以下)
- 失業・離職している
- 病気・怪我で働けない状態
② 減額返還制度 経済的に苦しい場合、月々の返済額を1/2または1/3に減らすことができます(最長15年間)。ただし返済期間が延びるため、総返済額は増えます。
③ 所得連動返還方式への変更 第一種奨学金(無利子)の場合、所得に応じた返還額に変更できる制度があります。収入が少ない時期は返済額も少なく、収入が増えたら返済額も増えます。
給付型奨学金・返還免除
以下の場合、奨学金の返還が免除されることがあります。
- 特に優れた業績での免除:学業成績が特に優秀で研究者・教員などになった場合(第一種奨学金)
- 死亡・障害による免除:本人が死亡または重度障害になった場合、残債が免除されます
また、2020年度からは新たな「給付型奨学金」制度が始まり、住民税非課税世帯等の学生は返還不要の奨学金を受けられます(既存の借入分には適用されません)。
手続きの流れ
- JASSO公式サイトから申請書をダウンロード、または電話・マイページから申請
- 必要書類(収入証明等)を準備して郵送
- 審査(通常1〜2カ月)
- 承認後、猶予・減額が適用
申請は延滞になってからでも可能ですが、既発生の延滞金は免除されないため、困ったら早めに動くことが大切です。
まとめ
奨学金の返済が苦しい場合、延滞する前に「返還期限猶予」や「減額返還」を申請することが重要です。収入状況に応じた制度を活用することで、信用情報を傷つけずに苦境を乗り越えることができます。収入・支出をシミュレーターで整理して、返済可能額を確認してみましょう。
