大学進学を控えた高校生や在学中の大学生にとって、「返さなくて良い」給付型奨学金は非常に重要な支援制度です。本記事では、JASSO(日本学生支援機構)の給付型奨学金と都道府県の奨学金制度を2026年最新情報で完全解説します。
給付型奨学金とは?
奨学金には大きく「給付型」と「貸与型」の2種類があります。
給付型奨学金:返還不要のお金がもらえる奨学金。採用条件を満たせば、卒業後に返済する必要がありません。
貸与型奨学金:在学中に借りて、卒業後に返済する奨学金。無利子の第一種と有利子の第二種があります。
近年、特に重要になっているのが給付型奨学金です。2020年から始まった「高等教育の修学支援新制度」により、JASSOの給付型奨学金が大幅に拡充されました。
JASSOの給付型奨学金の概要
JASSOが実施する給付型奨学金(高等教育の修学支援新制度)は、大学・短大・高等専門学校・専門学校(2年制以上)の学生が対象です。
対象となる条件
所得条件:世帯年収によって4つの区分(第1〜第4区分)に分かれます。
| 区分 | 世帯収入の目安 | 支援の有無 |
|---|---|---|
| 第1区分 | 〜約270万円 | 最大支援 |
| 第2区分 | 270〜約300万円 | 支援あり |
| 第3区分 | 300〜約600万円 | 支援あり(少額) |
| 第4区分 | 600万円〜 | 原則対象外 |
※ 扶養家族の人数等によって実際の基準は異なります。
学力条件:高校在学中の成績が学習成績概評で「3.5以上」(上位約30%以内)であることが基本条件の一つです。ただし、成績が基準を下回っていても「学修意欲・能力」や「困窮度」などで総合的に判断される場合があります。
進路条件:進学先が文部科学省が指定した対象校(認定を受けた大学・専門学校等)であることが必要です。
月額給付額の目安(2026年度)
給付額は学校の種類(国公立・私立)と住環境(自宅・下宿)によって異なります。
| 区分 | 国公立・自宅 | 私立・自宅 |
|---|---|---|
| 第1区分(〜270万円) | 38,300円/月 | 75,800円/月 |
| 第2区分(〜300万円) | 25,500円/月 | 50,500円/月 |
| 第3区分(〜600万円) | 12,800円/月 | 25,300円/月 |
| 第4区分(600万円〜) | 対象外 | 対象外 |
第1区分で私立大学に下宿して通う場合、月75,800円(年910,600円)が支給されます。4年間では約364万円にもなります。
授業料等減免制度との組み合わせ
JASSOの給付型奨学金は、授業料の減免制度とセットで支援が受けられます。大学・専門学校の授業料と入学金が最大全額免除されるため、実質的な支援額は給付型奨学金の金額よりはるかに大きくなります。
2024年度から多子世帯等に拡充
2024年度から、扶養する子どもが3人以上いる世帯の大学生について、所得にかかわらず授業料等減免の対象となる「多子世帯支援」が始まりました。国公立大学は実質無償化、私立大学も一定額が減免されます。
対象となる条件:
- 扶養者(保護者)が扶養する子が3人以上いる
- 大学・専門学校等の正規課程に在学中
- 日本国内の大学・短大・高専・専門学校(国公私立問わず)
高校生向け:都道府県の奨学金制度
JASSOの給付型奨学金は大学等進学後が対象ですが、高校在学中(1〜3年生)には各都道府県の奨学金制度を利用できます。
都道府県奨学金の特徴
- 給付型と貸与型がある(給付型は返済不要)
- 月額:20,000〜70,000円程度(都道府県・所得によって異なる)
- 申請窓口:高校または都道府県の教育委員会
主な都道府県の例
- 東京都:奨学給付金(授業料以外の教育費を支援)
- 大阪府:私立高校生等に対する府独自の支援
- 神奈川県・愛知県等:各種奨学金制度
また、私立高校に関しては就学支援金(国の制度)が年収600万円以下の世帯に支給され、多くの県では上乗せ支援も行っています。
高校3年生の場合の申請スケジュール
大学進学を控えた高校3年生は、予約採用(進学前の申請)が可能です。
申請スケジュール(目安)
- 4〜5月:学校で申請書類の配布・説明会
- 5〜6月:必要書類を揃えて学校に提出
- 7〜9月:採用通知
- 翌年4月〜:進学後に受給開始(採用決定後は進学先に手続き)
締め切りを過ぎると申請できなくなるため、高校の先生や教育委員会に早めに確認することが大切です。
在学採用(大学入学後の申請)
高校3年時に申請しなかった場合でも、大学・専門学校入学後に在学採用として申請できます。
在学採用の流れ
- 大学入学後、学生課・奨学金担当窓口に相談
- 毎年4〜5月ごろに申請受付
- 採用決定後に受給開始
在学採用は枠が限られている場合があるため、できるだけ早めに申請することをお勧めします。
給付型奨学金でも足りない場合
給付型奨学金だけでは教育費が不足することもあります。その際に利用できる選択肢:
貸与型奨学金(JASSO)
- 第一種(無利子):月額53,000〜64,000円程度
- 第二種(有利子、最大年利3%):月額20,000〜120,000円(選択)
教育ローン
- 日本政策金融公庫:年2.25%(固定)、1人につき450万円まで
- ろうきん(労働金庫):年3〜5%程度
貸与型奨学金や教育ローンは卒業後の返済が必要なため、借り過ぎには注意が必要です。事前に奨学金返済シミュレーターで月々の返済額を確認しておきましょう。
まとめ
給付型奨学金は、所得要件・学力要件を満たせば返済不要のお金を得られる非常に重要な制度です。JASSOの給付型奨学金は世帯年収600万円以下が目安で、月12,800〜75,800円が支給されます(区分・学校種別による)。高校生は都道府県の奨学金制度、大学生はJASSOの給付型奨学金と授業料減免制度を組み合わせることで、大幅な教育費の軽減が可能です。申請期限を逃さないよう、早めに学校の担当者や各機関に相談することをお勧めします。
